「大暴落はチャンス？」初心者こそ知りたい相場下落時の考え方と行動

2025年6月3日 2025年6月3日

tokotokoinvest 編集部

投資を始めたばかりの皆さん、あるいはこれから投資を考えているけれど、相場が大きく変動するニュースに不安を感じている方々へ。この記事は、市場が下落した際に「これはチャンスだ」と冷静に捉え、自信を持って行動できるようになるための羅針盤となるでしょう。読み終える頃には、皆さんの投資に対する見方が変わり、どんな相局にも動じない強い味方ができるはずです。

相場下落時の不安を乗り越える「心の準備」とは？

「投資は怖い」「損をするのが不安」──多くの方が抱く、投資に対する率直な感情ですよね。特に、株価が急落するニュースを目にすると、せっかく始めた資産形成も「やっぱり向いていないかも」と諦めそうになるかもしれません。

この不安の根源は、「未来が見えない」ことへの本能的な恐れにあります。積み上げてきた資産が目減りしていくのを見るのは、誰にとっても心穏やかではありません。しかし、この不安に流されてしまうと、焦った売却や、何もできなくなる「思考停止」に陥り、結果として長期的な資産形成の機会を失いかねません。だからこそ、相場の下落は、感情に流されず冷静な判断を下すための「心の準備」が不可欠なのです。

なぜ「大暴落はチャンス」と言われるのか？その本質に迫る

・年に一度の「大バーゲンセール」

「暴落はチャンス」と聞くと、直感的には理解しにくいかもしれませんね。しかし、これは長期的な資産形成において極めて重要な視点です。例えるなら、普段は高値で手が出せない有名ブランド品が、年に一度の「大バーゲンセール」で半額以下になっている状態だと考えてみてください。皆さんは、「今こそ買い時だ！」と心が躍るのではないでしょうか。投資の世界でも、これと全く同じことが起こります。

・「恐怖」と「パニック」

市場の下落は、しばしば「恐怖」と「パニック」によって引き起こされます。経済の先行き不安や特定の企業の問題、世界情勢の悪化などが要因となり、多くの投資家が「これ以上損をしたくない」という心理から一斉に資産を売却します。その結果、本来の企業価値や資産のポテンシャルを大きく下回る「割安な価格」で取引される状況が生まれるのです。

・「市場の感情的な歪み」

冷静な投資家は、この「市場の感情的な歪み」をチャンスと捉え、長期的な成長が期待できる優良な資産を安値で仕込む機会だと考えます。これが「暴落はチャンス」と言われるゆえんであり、実際に多くの成功した投資家が実践してきた戦略です。

ドルコスト平均法が暴落時に真価を発揮する理由

相場下落時における有効な戦略の一つに「ドルコスト平均法」があります。これは、毎月など決まったタイミングで、一定額を継続して投資していく方法です。価格が高い時には購入できる口数が少なく、価格が低い時には多くの口数を購入することになります。

この方法の最大のメリットは、市場のタイミングを計る必要がないことです。特に暴落時には、少ない金額でより多くの資産（例：投資信託の口数や株式）を買い付けることができるため、市場が回復した際に、より大きなリターンを期待できるようになります。

過去のコロナショックのような大きな下落局面でも、慌てずに積立を続けることができます。むしろ、「割安で仕込めるチャンスだ」と捉え、精神的な動揺を抑えられる場合があります。ドルコスト平均法は、感情に左右されやすい市場において、私たち投資家の強力な「自動売買ツール」となってくれるのです。

大暴落時にどこで買う？

① 底を狙いすぎない
完璧な底を見極めるのは至難の業です。「底だと思ったらさらに下がった」ということもよくあります。長期的に見て安くなっていると判断できる地点で、段階的に買い増すのが有効です。

② 出来高をチェックする
暴落時は恐怖で売りが殺到しますが、底付近では出来高が増えつつも価格が安定することがあります。これは売り手が減り、買い手が増え始めている兆候かもしれません。

③ 指数と連動しているかを確認する
市場全体のトレンドを反映するS&P500などの指数が底打ちして反発し始めると、個別銘柄も回復する可能性が高くなります。

④ ファンダメンタルズが健全な銘柄を選ぶ
暴落時にどの企業も値を下げますが、財務が健全で成長余地のある企業は回復しやすいです。割安になっている優良企業を見極めるのが重要です。

⑤ 積立投資でリスクを分散する
暴落時に一括で買うのではなく、分散して購入することでリスクを軽減できます。定期的に買い続けることで、平均取得価格を抑えながら市場の回復を待つことが可能です。

暴落時に慌てないための具体的な３つの行動指針

いざ暴落が起こった時に、冷静さを保ち、正しい行動を取るために、以下の3つの行動指針を心に留めておきましょう。

１．冷静に状況を「評価」する

市場が下落すると、ニュースやSNSでは不安を煽る情報が飛び交いがちです。しかし、まずは深呼吸をして、感情的な反応を避けましょう。なぜ相場が下落しているのか、その原因は一時的なものか、それとも構造的な問題なのかを、信頼できる情報源から冷静に評価する時間を持つことが重要です。個別の企業やセクター、経済全体への影響を見極めることで、不必要なパニック売りを防ぐことができます。

２．自身の投資計画を「再確認」する

相場の下落は、自分の投資計画を見直す絶好の機会です。当初設定した投資目標、リスク許容度、資産配分のバランスは適切か、再確認しましょう。ここで重要なのは、感情的になって計画を大きく変更しないことです。もし、十分な資金的余裕があり、将来の成長が見込める資産であれば、この「バーゲンセール」を利用して、買い増しを検討するのも賢明な戦略です。

３．「継続」を基本に「戦略的追加投資」を検討する

多くの投資家が後悔するのは、暴落時にパニック売りをしてしまい、その後の市場回復の波に乗れなかったことです。一度決めた長期的な投資方針があるのなら、特別な理由がない限り、投資を継続すること（積立投資であれば止めないこと）が基本です。

そして、もし可能な状況であれば、計画的な追加投資を検討してみましょう。これは、ドルコスト平均法とは別に、大きな下落時に一括で、または数回に分けて資金を投入する戦略です。これにより、回復局面でのリターンをさらに高める可能性が生まれます。

歴史が語る真実～市場は暴落から「立ち直る」力を持っている～

私たちの不安を和らげる最も確かな根拠は、過去の歴史にあります。世界の主要な株式市場、特に米国のS&P500指数のような広範囲の市場指数は、歴史上、何度も大きな下落局面を経験してきました。しかし、これらの危機を乗り越え、長期的に見れば右肩上がりの成長を遂げています。これは、企業の努力、技術革新、経済全体の発展といった要因が、最終的には株価に反映され、「市場は成長し続ける」という基本的な前提を強く示唆しています。多くの経済学者や投資の専門家も、「市場の暴落は一時的なものであり、長期的な視点で見れば、それは成長の機会である」という見解で一致しています。

最新のデータでも、一時的な下落からの回復力は健在です。例えば、2020年のコロナショック後のV字回復は、市場の強靭さを示す好例と言えるでしょう。

冷静さと知識で、未来の資産を力強く築く

いかがでしたでしょうか？「暴落はチャンス」という言葉は、単なるスローガンではなく、長期的な資産形成において極めて合理的な考え方であることがお分かりいただけたかと思います。市場の変動は、投資の世界では避けられない自然な現象です。だからこそ、それに一喜一憂し、感情的に行動するのではなく、知識と冷静な判断力で、むしろそれを自己の資産を成長させる機会として捉える心の準備が重要です。